日本では「働きすぎ」が社会問題になって久しく、過労死という言葉も国際的に知られるようになっています。
長時間労働は一見すると「頑張っている証拠」のように見えるかもしれませんが、実際には心身に深刻な悪影響を与え、命に関わることさえあります。
この記事では、長時間労働がもたらす健康リスクと、その防止に向けた取り組みをわかりやすく解説します。

長時間労働の現状
厚生労働省の調査では、月80時間を超える残業を「過労死ライン」として示しています。
これは、1日あたりにすると約4時間の残業を1か月続ける計算になります。
👉 この基準を超える労働を続けると、脳や心臓に負担がかかり、命に危険が及ぶとされています。
健康リスク
1. 身体的リスク
- 脳血管疾患(脳梗塞・脳出血)
- 心疾患(心筋梗塞・狭心症)
- 睡眠不足による免疫力低下
2. 精神的リスク
- うつ病・不安障害
- 過労による自殺リスクの増加
- 意欲低下・集中力の欠如
3. 生活面のリスク
- 家庭生活への悪影響
- 趣味やリフレッシュの時間が減る
- 健康診断や通院の機会を逃す
法律上の規制
労働基準法では、労働時間は原則「1日8時間・週40時間」と定められています。
これを超える残業をさせる場合には36協定の締結が必要であり、上限規制も設けられています。
- 月45時間以内、年360時間以内が原則
- 臨時的な特別事情があっても年720時間以内、複数月平均80時間以内まで
👉 つまり、長時間労働は「例外的な措置」であって、常態化してはいけないのです。
会社の責任
- 労働時間の管理を適切に行う義務
- 健康診断やストレスチェックを実施する義務
- 過労死や過労自殺が発生した場合、損害賠償責任を負う可能性
労働者ができる対策
- 自分の労働時間を記録する
- 適度に休憩を取り、睡眠時間を確保する
- 体調に異変を感じたらすぐに受診する
- 無理な残業を続けないよう上司に相談する
社会的取り組み
- 働き方改革関連法による時間外労働の上限規制
- テレワークやフレックスタイム制度の導入
- メンタルヘルス対策の強化
まとめ
- 長時間労働は心身に深刻な悪影響を与え、命の危険もある
- 法律で労働時間の上限が定められている
- 会社には管理と予防の義務、労働者にもセルフケアの必要がある
- 社会全体で「働きすぎを防ぐ仕組みづくり」が進められている
👉 「働きすぎ」は美徳ではなくリスクです。自分と周囲の健康を守るために、適切な働き方を意識することが大切です。
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