
はじめに
社会保険という言葉はよく耳にしますが、いざ説明しようとすると「健康保険と年金のこと?」「国民健康保険と厚生年金ってどう違うの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、社会保険の基本から、国民健康保険と厚生年金の違いまで、わかりやすく整理して解説します。社労士試験の学習にも直結するテーマですので、ぜひ基礎固めに役立ててください。
社会保険の基本とは?
社会保険とは、国が国民の生活を保障するために設けている仕組みのひとつで、大きく以下の5つに分かれます。
- 健康保険(病気やけがに備える)
- 年金保険(老後や障害、遺族の生活保障)
- 雇用保険(失業時や育児・介護休業時の所得補償)
- 労災保険(仕事中や通勤中の災害に対応)
- 介護保険(高齢期の介護に対応)
このうち、一般的に「社会保険に入る」といった場合は 健康保険と年金保険 を指すことが多いです。
国民健康保険とは?
国民健康保険(国保)は、会社員や公務員以外の人が加入する医療保険制度です。具体的には以下の人が対象です。
- 自営業者やフリーランス
- 農業・漁業従事者
- 無職の人(学生や退職者など)
保険料は前年の所得に応じて市区町村が決定します。特徴は以下のとおりです。
- 医療費の自己負担は原則3割
- 高額療養費制度が利用できる
- 世帯ごとに加入するため、世帯主がまとめて保険料を支払う
厚生年金とは?
厚生年金は、会社員や公務員が加入する年金制度です。基礎年金(国民年金)に上乗せする形で支給されるため、「2階建て年金」と呼ばれることもあります。
特徴は以下のとおりです。
- 収入に応じて保険料が決まり、会社と労働者で折半して負担
- 将来受け取る年金額は、収入や加入期間に比例して増える
- 障害年金や遺族年金の保障も含まれる
国民健康保険と厚生年金の違い
一見別々の制度ですが、実はどちらも「社会保険」の重要な柱です。それぞれの違いを整理すると以下のようになります。
- 対象者の違い
- 国民健康保険:自営業者、無職の人など
- 厚生年金:会社員、公務員
- 保険料の決まり方
- 国民健康保険:前年所得をもとに自治体が決定
- 厚生年金:収入に応じて決まり、事業主と折半
- 給付内容の違い
- 国民健康保険:医療費の軽減、高額療養費制度など
- 厚生年金:老齢・障害・遺族の年金保障
社労士試験に出るポイント
- 社会保険は「5つの保険」の総称であることを整理する
- 健康保険と国民健康保険の違いを押さえる
- 年金は「国民年金(基礎)」と「厚生年金(2階建て)」の構造を理解する
- 保険料負担の仕組み(個人負担か、事業主との折半か)が試験でも問われやすい
生活に直結する実務的な注意点
- フリーランスから会社員になったときは、国保から社会保険(健康保険+厚生年金)に切り替える必要がある
- 会社を辞めたときは、任意継続か国民健康保険への加入を選ぶ
- 厚生年金に加入していないと、将来の年金額が大きく減る
まとめ
社会保険は私たちの生活を支える大切な仕組みです。その中でも「国民健康保険」と「厚生年金」は対象者や内容が大きく異なります。自分がどの制度に入っているのか、保険料の仕組みや給付の違いを正しく理解しておくことは、生活設計にも社労士試験対策にも欠かせません。
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